システム・エンジニアという職業のあり方について考えさせられる本です。 SEをとりまく日本の組織の問題に鋭く切り込む一方で(第四章)、そうした状況を言い訳にせずスキルを伸ばし仕事を楽しくするためにSE個々人ができることを、前向きに、説得力をもって説明しています(第五章)。 自分の経験だけに閉じこもらず、システムエンジニアリングの世界の新しい技術や考え方を、絶えず批判的に取り入れ、自身の経験を再構成していく著者の姿勢は、同じ職業に就く者として見習うべき点が多いと感じました。 また、本書全体を通じ、終始一貫して、「自分が顧客に提供しているものは何か」を追求するプロフェッショナリズムが感じられ、しかも、プロフェッショナルとはどういうものであるかを具体的な行動レベルで示しています。例えば、新しい技術や方法を顧客に提案する際には、その前に、自分の時間を投資してその技術なり方法を十分に習得すべきだと、著者は主張しています。こうしたことは当たり前のようですが、このようにハッキリと言い切っている本はあまりなかったように思います。 著作を本業とする方ではないらしく、説明が若干不足している点や、前後のつながりがわかりにくい点もありますが、そうした点を割り引いても、読む価値があると感じました。 SEになられたばかりの方だけではなく、ある程度経験を積まれ、それなりに仕事に安定感がでてきたと感じられる方が読まれると、自分の仕事を見直すよい機会になるかもしれません。是非お勧めしたい本です。 |